『変革期のウェブ』は、2007年7月に開催した[Web標準の日々]の連動書籍として、マイナビ(当時は毎日コミュニケーションズ)から発行した書籍です。各章ごとに実際に集まって対談されたものを、文章に起こしたものです。
Webやテクノロジーの世界の進歩はドッグイヤーと言われますが、丸5年たって読み返したところ、変わったこともあれば変わらないものもあり、単なる懐古主義でなく、これからのWebを考える上で意外に有益かも、と思ったのが、今回の再発のいきさつです。何かしらのヒントになれば幸いです。
広告、販売、マーケティング、顧客サービス、ブランディング(ブランド価値向上)など企業活動のさまざまな局面で、Webはすでに必要不可欠なメディアです。さらに、Web自体がほかのメディアと融合したり、競合したりと、変動期にあるといってよいでしょう。ネット広告がラジオを超え、ついに雑誌の広告費を抜いたこと、IT企業によるテレビ局の買収問題など、ここ数年で急速にWebというメディアの存在感が増してきました。
「私たちはWebの変わり目に立ち会っているのではないか」。Webに関わる人々の多くが、このように感じているのではないでしょうか。ひとくちにWebといっても、さまざまな側面があります。しかし、Webのあらゆる局面で、速さに違いはあっても確実に変化が進んでいることは、私たちの共通認識といえます。
Webはテクノロジー主導という面もあります。テクノロジーの進化がそのままWebの進化につながることが少なくありません。たとえばグーグルという検索システムと、そこから生まれたさまざまなサービスがWebの世界にもたらしたインパクトは想像以上に大きいものですし、それは現在進行形でつづいています。Webをかたちづくるしくみ、ベースとなる考え方も、数年前と比べて大きく変わってきているのです。
大規模なWeb制作プロジェクトや、Webと他のメディアとの強い連携が求められるケースが増えるなか、マネージメントやプロデュース、ディレクションといった、プロジェクトそのものの枠組み、進め方、人材の活かし方などがあらためて問われています。他の業界と共通の問題もあれば、Web業界に特有の事柄もあるでしょう。大切なのは、いまある問題をきちんと見つめ、改善することで、つくる側とつかう側の双方にとって「よりよいWeb」にすることです。Webはそもそも、そのような動機づけが強いメディアだと、私たちは信じています。
本書は、「ソリューション」「コンテンツ」「テクノロジー」「サービス」「プロジェクト」という五つのテーマから、現場に関わる人間の生の声を通して、Webの現在と将来を論じようと試みました。それぞれの章は座談会形式で収められており、終章にはモデレーターによる総括座談会も収録されています。
ひとつひとつの発言に、Webに対する情熱と真摯な姿勢が込められていますが、できる限りわかりやすい言葉で、Webに深く関わっていない人でも読み進められるように工夫しました。
さまざまな新しい言葉、新しいテクノロジー、新しいサービスが生まれては消えるWebの世界。そのスピードはますます加速しており、ある人はよろこび勇んで対峙し、ある人はほどほどの付き合い方で接しています。ただひとついえるのは、今後Webはこれまで以上に重要なメディアになるということです。「進化」という面だけでなく、われわれの生活にいっそう深く根ざすという「深化」の面を多分に含むことでしょう。
本書を通じて、Webのさらなる可能性をリアルに感じていただき、よりよい体験、よりよい仕事につなげていただければ幸いです。
著者一同
株式会社サイバーガーデン代表取締役。
Webサイトのプロデュースや戦略立案、コンサルティング、Webクリエイター向けのセミナーやトレーニングに従事。著書に『Web標準の教科書』など。
https://www.cybergarden.net/
株式会社サイバーガーデン 代表取締役
1975年、栃木県宇都宮市生まれ。早稲田大学大学院商学研究科修了。学生、社会人と、長らく過ごした東京を離れ、2011年6月から北海道旭川市に在住。
Webサイトのコンサルティング、企画・設計、制作業務、執筆、教育活動に従事。元・金沢工業大学大学院工学研究科 知的創造システム専攻 客員教授。東京と大阪の「宣伝会議」教育講座で、5年以上にわたってWebライティングの講師を担当。
主な著書に『Web標準の教科書』(秀和システム)、『伝わるWeb文章デザイン100の鉄則』(同)、『現場のプロから学ぶXHTML+CSS』(共 著、マイナビ)、『変革期のウェブ』(共著、同)、『ウェブの仕事力が上がる標準ガイドブックシリーズ』(監修、ワークスコーポレーション)など。
株式会社博報堂アイ・スタジオ クリエイティブディレクター。
企画、デザインからFlashまでトータルに手がける。Cannes Lions 銅賞、One Show銅賞をはじめ国内外のアワードを多数受賞。https://www.30k2.com/
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株式会社インフォアクシア代表取締役。Webアクセシビリティコンサルタント。
JIS X 8341-3、W3C/WAIのWCAG 2.0など、アクセシビリティ関連の標準規格策定にも関わる。 https://www.infoaxia.com/
株式会社インフォアクシア
代表取締役。
診断・評価、ガイドライン作成、教育・研修、ツール開発などを通じて、主に企業のWebサイトおよびWebアプリケーションのアクセシビリティ確保をコンサルティングしている。
国内外のアクセシビリティ・ガイドライン策定にも従事しており、W3C/WAIのWCAGワーキンググループで「WCAG2.0」、財団法人日本規 格協会 INSTAC(情報技術標準化研究センター)のワーキンググループで「JIS X 8341-3:2004」および「JIS X 8341-3:2010」の原案作成に参画。現在は、WAIC(ウェブアクセシビリティ基盤委員会)の副委員長および同委員会実装ワーキンググループの主査を兼任している。
監修・翻訳・執筆した書籍に『Webアクセシビリティ~標準準拠でアクセシブルなサイトを構築/管理するための考え方と実践~』(毎日コミュニケーションズ)。
有限会社アズ・シーツー代表取締役
結果を出すことにフォーカスしたWebコンサルティングから実制作・運営までを請け負う。現在、『Web Site Expert』(技術評論社)などで連載中。 https://asc2.biz/
有限会社PLACES 代表取締役
iOSアプリ開発とWebサイト制作を行う。デザインを軸に、企画から開発、運用まで。「使いやすいもの」を作ることに情熱を燃やす。
書籍『現場のプロから学ぶXHTML+CSS』、『Webデザイン 知らないと困る現場の新常識100』、『標準ウェブ制作完全ガイド』を共著で執筆。
ウィルシステム・インコーポレイテッド マークアップエンジニア。
実務のかたわら、Web制作、CSS、アクセシビリティの講師を担当。現在、Webマガジン『withD』で「変化の時間(トキ)」を連載中。 https://www.willsystem.co.jp/
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デザインやコンサルティングを通じてWebの仕事に携わる活動家。
ブログとポッドキャストをはじめ雑誌などを通じて情報配信中。
デザインやコンサルティングを通じてWebの仕事に携わる活動家。
アメリカの大学にてビジュアルコミュニケーションを専攻後、マルチメディア関連の制作会社に在籍。日本に帰国後、数々の制作会社や企業とコラボレーションを続け、現在はフリーで活動。
自身のブログとポッドキャストではWebとデザインをキーワードに情報発信をしているだけでなく、各地でWebに関するさまざまなトピックで講演を行ったり、多数の雑誌で執筆に携わる。
著書に『スタイルシート・スタイルブック』『Web Designer 2.0』など。 (https://www.yasuhisa.com/)
株式会社paperboy&co. 取締役副社長 兼 事業部統括本部長
レンタルサーバー、ドメイン取得、ショッピングカート、ブログと幅広くサービスを手がける同社における全事業の統括責任者。
株式会社ブクログ代表取締役社長
株式会社paperboy&co.専務取締役
1998年同志社大学商学部卒業。応用通信電業株式会社を経て 2004年、「ロリポップ!」などの個人向けインターネットサービスを運営する株式会社paperboy&co.に入社。
ブックレビューコミュニティ「ブクログ」、電子書籍作成・販売プラットフォーム「パブー」を企画・プロデュース。 2012年、株式会社ブクログ 代表取締役社長就任
ネットイヤーグループのWebディレクターとして大企業のWebサイト構築に携わる。個人ブログでもIAやUXDに関する情報を配信中。書籍『プロセス オブ Webデザイン』に寄稿など。
ネットイヤーグループ株式会社
UXデザイナー
2002年より、ネットイヤーグループ株式会社にて、IA/UXデザイナーとして活躍。主に、企業におけるインタラクティブマーケティング支援(コンサルティング)や、Webサイト構築におけるクリエイティブディレクションを担当。とくに、Web情報アーキテクチャを設計する専門職インフォメーションアーキテクト (IA) として活躍中で、自身のブログでも情報発信し、執筆・寄稿やセミナーの講演なども行っている。
2010年には自治体サイトの標準化を推進する「OpenUMプロジェクト」の立ち上げにも参加し、著書に『IAシンキング (Web制作者・担当者のためのIA思考術)』がある。
DTPデザイナーを経て Webデザイナーとなり、2005年シックス・アパートにjoin。現在はCSSの講師等も務める。著書に『ちゃんとCSSするためのスタイルガイド入門(共著)』など。
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株式会社イー・エージェンシーにて、サイト運用を主業務とする「サイトマネージメント事業部」在籍。Web運営コンサルティングや、Webサイトのプロデュースを中心に数多くのプロジェクトに従事。
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デジタルハリウッド株式会社 ソリューション事業部 コンサルティンググループ マネージャー
建設会社の現場監督、Webディレクターを経た後、現職。社員教育コンサルティング、IT教育カリキュラムの策定やネクサスアドバンスセミナーを主催するほか、WebSig24/7でも活動。協力著書『Web屋の本』(技術評論社)
補修専門の建設会社での営業、現場監督業務を経てインターネット業界へ転職。中堅ベンチャーの倒産を経験後、株式会社アークウェブの創立メンバーとして創業を経験しコンサルタント、プロジェクトマネージャーとしての実績を積む。デジタル時代の良質な人材育成および業界環境整備を目標とし、デジタルハリウッド株式会社へ入社。企業研修カリキュラムの企画開発、産学官プロジェクト、イベント運営を担当しながら、自らも講師業務を開始。
2008年9月よりフリーランスの設計屋“ARCHIT”として活動を開始。商品の企画開発、戦略立案からサイト構築、プロモーション運用までを手掛ける。また2005年よりWeb業界の健全な発展を目的とした任意団体”WebSig24/7″のモデレーターを務める。
デジタルハリウッド本科Webデザイナーゼミ講師
デジタルハリウッドオンラインスクール講師
デジタルハリウッド法人営業部企業研修講師
著書に『Web屋の本~ Web2.0,ビジネスサイト2.0,Web屋2.0』(技術評論社、共著)、『変革期のウェブ~5つのキーワードから読み解くウェブとビジネスのこれから』(マイナビ、共著)など
(株)paperboy&co. EC事業本部 カラメルチーム プロデューサー
Web制作のベンチャー企業で受託開発、プロダクト開発に携わった後、サービス運営会社であるpaperboy&co.に参加。ショッピングモール「カラメル」を運営。Twitterの携帯向けサービスのMovaTwitterの運営や、ブログやWebSig24/7を通じて個人でも活動している。
大学卒業後、半導体生産設備メーカーにて、制御担当として新製品開発に従事。2000年にWeb業界に転職し、受託及びリッチコンテンツCMSの製品開発マネージャー。2006年からペパボ(株式会社paperboy&co.)にてECショッピングモール「カラメル」の開発、プロデューサー。
2010年に「人の想いを創る会社」=想創社設立、同年9月に合併にて「マインドスコープ」に社名変更。同社では2007年から続けていたツイッタークライアント「モバツイ」に専念し、2012年5月にjig.jpに同社を売却。2010年Web人賞受賞。利用規約ナイト主催。
現在、改めて想創社の設立準備中
株式会社リンクシンク 取締役
CGM領域を中心に活動するマーケター。企業人として活動するかたわら個人として企画本の執筆活動を行っている。近著「困ったときのベタ辞典」
株式会社オルトプラス取締役COO
株式会社リンクシンク、株式会社AQインタラクティブNC事業部開発部長を経て株式会社オルトプラスにジョイン。ソーシャルアプリを中心にソーシャルメディアとエンターテイメントが融合するサービスを提供する。また、マーケティング領域への活動として株式会社コムニコの社外取締役を勤める。
その他、個人活動としてアコナイトレコード名義で執筆も展開。主な著作に『困ったときのベタ辞典』、『サラリーマン生態図鑑』(大和書房)がある。
株式会社エフエックスビイ代表取締役CVO、Design Wedge編集長。
ウェブ制作業とメディア業をしつつ、探求をつづける。近著に『プロセス オブ ウェブデザイン』(共著)。
Greative代表
1998年に独立し、同年、ウェブデザイン専門のメールメディア DesignWedgeの発行を開始。Webデザイン業の傍ら、海外のWebデザインに関する情報発信を行う。
雑誌への寄稿多数。主な著書に、『プロセスオブウェブデザイン』、『CakePHPビューコーディング入門』、『ウェブデザインコーディネートカタログ』など。
最近は、Play frameworkとR言語での統計解析やWebSocketにも力を入れている。
フリーのウェブ系エンジニア。裏方のシステム開発と、Flashをいじるのが大好き。
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2002年に株式会社ビジネス・アーキテクツに参加。多数の企業サイトの構築に携わる。大規模なサイトの設計・実装を得意とし、アーキテクトとして中心的な役割を果たしている。
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デザインやコンサルティングを通じてウェブの仕事に携わる活動家。ブログとポッドキャストをはじめ雑誌などを通じて情報配信中。近著『スタイルガイド入門』。第2章「コンテンツとしてのウェブ」のモデレーター
デザインやコンサルティングを通じてWebの仕事に携わる活動家。
アメリカの大学にてビジュアルコミュニケーションを専攻後、マルチメディア関連の制作会社に在籍。日本に帰国後、数々の制作会社や企業とコラボレーションを続け、現在はフリーで活動。
自身のブログとポッドキャストではWebとデザインをキーワードに情報発信をしているだけでなく、各地でWebに関するさまざまなトピックで講演を行ったり、多数の雑誌で執筆に携わる。
著書に『スタイルシート・スタイルブック』『Web Designer 2.0』など。 (https://www.yasuhisa.com/)
株式会社ソナー執行役員 Webインテグレーショングループ : チーフディレクター
1996年よりWeb制作を開始。2005年より株式会社ソナーに合流し、ディレクション業務に従事。2006年7月より同社執行役員就任。著書に『Webブランディングの入門教科書』(毎日コミュニケーションズ)。
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Cosmo Interactive Inc.執行役員 プロジェクト・マネージャー
Cosmo Interactive Inc.にて多くのWebサイトにプロデューサ、クリエイティブディレクターとして関わる。
2005年よりRIAコンソーシアム幹事会員、2006年より理事会員、UI関連WG運営委員。執筆実績多数。2007年東京インタラクティブ・アド・アワード入賞。
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株式会社ビジネス・アーキテクツ 取締役
クォリティ・インプルーブメント・ディレクター
2000年、株式会社ビジネス・アーキテクツの設立に参画。ナレッジマネージメントやワークフローの開発も手がけるなど幅広く活躍し、2005年より取締役。XHTMLやCSSなどのフロントエンド技術、アクセシビリティ、ユーザビリティのスペシャリスト。
株式会社ツルカメ 代表取締役社長 UXディレクター
東芝EMIやマイクロソフトなどを経て、2000年にビジネス・アーキテクツの設立に参画し2005年より取締役、2009年同社退職。読書家と称した充電期間を経て、2010年ツルカメ設立とともにめでたく社会復帰、代表取締役社長に就任(現職)。2012年ネコメシを設立し代表取締役CEOに就任(現職)。IAおよびUX、フロントエンド技術、アクセシビリティ、ユーザビリティのスペシャリスト。CG-ARTS協会委員。広告電通賞審議会選考委員。米IA Institute会員。内閣総理大臣賞、グッドデザイン賞など受賞多数。趣味は料理とカメラ。gihyo.jp(技術評論社)にて「キーパーソンが見るWeb業界」を2008年より連載。
株式会社スイッチ代表
Webサイトの構築やコンサルティングを行う傍ら、WebやDTPに関するトレーニングや執筆活動を行う。『Dreamweaverプロフェッショナル・スタイル』の企画・編集ほか、11冊の著書を持つ。
CSS Nite主催。
Webサイトの構築やコンサルティングを中心に、WebやDTPに関しての講演やトレーニングのほか、書籍の企画や編集、スクールなどのカリキュラム開発も手がける。
テクニカルライターとして20冊以上の著書を持ち、総販売数は14万部を超える。主な著書に『よくわかるDreamweaverの教科書』(共著、マイナビ)、企画編集を行った書籍に『現場のプロから学ぶXHTML+CSS』(マイナビ)など。
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更新日: 2013年1月23日