2017年7月11日(火)
2017年3月11日(土)にベルサール神田で開催したCSS Nite LP51「Reboot Dreamweaver」のフォローアップとして、久保 知己さん(まぼろし)の『DreamweaverでSassを使うための勘所』セッションのスライドなどを公開します。
Sassセッションを担当しました、株式会社まぼろしの久保です。
長丁場にもかかわらず、ありがとうございました。
Sassをはじめて知った方には、難しい内容だったかもしれませんが、最初にSassはどういうものか、お話させていただきました。
CSSメタ言語は、CSSのセレクタを入れ子にしたり、変数を使って色を管理したり、プログラムのようなことがCSSでも可能になります。
そしてCSSプリプロセッサーは、CSSメタ言語からCSSにコンパイル(変換・出力)が行うためのプログラムであり、この役割をDreamweaver CC 2017でも行えるようになりました。
CSSプリプロセッサーの環境を構築するには、マウスを使わずに文字だけで操作するCLI(コマンドラインインターフェース)を使って構築するのが主流で、WindowsやMacのOSによって構築方法が異なります。
しかしDreamweaver CC 2017では、Dreamweaverをインストールするだけで、OSによって特殊な操作をすることなく、CSSプリプロセッサーの環境が構築されます。
そのため、これから触ってみる方や以前に環境構築で諦めた方も、簡単に導入できると思います。
ただ、現在のDreamweaverとCSSメタ言語の連携がうまくいっていない箇所も見られると思います。特に不満に思う部分や欲しい機能などは、Dreamweaverのユーザーボイスへ投稿するといいでしょう。ユーザーボイスで「Sass」を検索すると、すでにいくつも要望が上がっています。投稿するのは「ちょっと...」と思う方は、Voteボタンを押すだけでも要望に反映されます。Dreamweaverをもっと良くしていきましょう。
ありがとうございました。
スライドのコードは、プログラムのように書かれていますが、普通のCSSを書いても問題ありません。
一部、セレクタを入れ子にしたり、変数を使ってみることから始めるといいと思います。
はい。フォルダーが階層になっていても反映されます。
Dreamweaverは、CSSと連携する機能を使わない方であれば、Sassを利用しても問題ないと思います。
Sassライブラリを使いたい場合も、公式からダウンロードできますし、Sassそのものの機能は、すべて動作するの問題ありません。
私の場合、Sassの他にPostCSSなども連携して使っています。
そのためSassだけで作業が完結しないので、現在CSS周りは別のものを使っています。
使っているわけではないのですが、Bourbon v5ベータ版が気に入っています。
私は欲しいMixinsや関数などを自分で作ってしまうのですが、Bourbon v5はMixinsの作り方やどういったMixinsがあれば便利になりそうか、参考にさせてもらています。
Sassが誕生して、今年で10周年です。移り変わりの激しいWebの技術で、10年以上も使われている技術は多くありません。
現在は、Sassの他にPostCSSが新たに登場しています。完全にPostCSSに乗り換える方もいっらしゃいます。
しかしPostCSSをSassなどに置き換えるには、機能と文法、また開発者の思想によって、なり変わることは難しいと感じています。
私もSassとPostCSSを併用して使っていますが、現状Sassを切り捨てるのは考えられません。
CSSのあり方が大きく変わらない限り、この先もSassは重要であると思っています。
ベンダープレフィックスは、PostCSSのプラグインの1つであるAutoprefixerを利用するのが一番いいでしょう。Autoprefixerは、ベンダープレフィックスを記述せずに、そのままCSS3を書くだけで、指定したブラウザの対応バージョンに合わせて、ベンダープレフィックスを付与してくれるツールです。CompassやBourbon v4のようにベンダープレフィックスのためにMixinsを呼び出す必要がありません。
ただしDreamweaver CC 2017では、Autoprefixerに対応していないのすが、私の次のセッションだったAdobe 轟さんの「Dreamweaverに追加予定の機能と開発チームへの機能要望の出し方」で、Autoprefixer入ることが検討されているようなので、今後の機能追加に期待ですね。
CSSの速い書き方は「Emmet」ですね。
EmmetのCSSの書き方は、コードヒントで入力するよりも2倍のスピードで入力することができます。なぜならコードヒントは、プロパティと値を別々に入力するのに対し、Emmetはプロパティと値を同時に展開するからです。
Emmetについては、私が過去にAdobeの公式ブログで連載していた記事があるので、こちらをご覧ください。
Sassファイルが多くないのであれば、CSSファイルを分ける必要はありません。
もしCSSのパーツごとにSassファイルを区切っているのであれば、別ファイルの方が管理しやすいと思います。
私がDreamweaverのプレリリースから確認している限り、Sassの「ライブラリ」はバージョンが上がっています。
ただSassそのもののバージョンは、Sassの最新が適用されていないのでバージョンは上がっていませんが、将来的に上がる可能性もあると思います。
またDreamweaver上でのライブラリのバージョン確認は、[サイト設定]->[CSS プリプロセッサー]->[ライブラリ名]のインクルードパスに、ライブラリのディレクトリが書かれているので、ライブラリの本体ファイルから確認します。
Sassそのもののバージョンの正しい方法は、私にもわかりません。私がやっているのは、Sassのバグからバージョンを推測しています。
SassはCSSを出力するための元ファイルであり、Bootstrap Sassを使ったとしても、すでにたくさんのクラスがCSSに入っていれば編集できません。
2019年、CSS Niteでは49回の関連イベントを通して123セッションが行われました。その中からベスト・セッション+αを選びました。