CSS Nite LP57「All About XD」再演版フォローアップ(6)境 祐司さん

2018年6月30日(土)大崎ブライトコアホールで開催したCSS Nite LP57「All About XD」再演版のフォローアップとして、境 祐司さん(Creative Edge School Books)の『』セッションのスライドなどを公開します。

フォローアップメッセージは、イベント開催直後(2018年6月)の時点のものです。

フォローアップ

ご参加された皆さん、お疲れ様でした。
このセッションで、Adobeのクリエイティブツールが「AI(人工知能)の技術で少しづつ進化し始めている」ことを知っていただけたら幸いです。

Adobe XDのツールバーには、長方形ツールや楕円形ツール、ペンツールなど、ごく基本的な機能しか搭載されていませんよね。このツール構成は、2016年3月に登場したプレビュー版から変わっていません。XDの開発チームは、アプリケーションソフトのパフォーマンスを最も重視しており、今年の1月アップデートでもズームパフォーマンスが大幅に強化されました。
プロトタイピングツールの開発で死守すべきは「軽快に動く」こと。多少古いマシンでも、もたつくことなく速く動くことがとても重要です。紙とペンだけの「ペーパープロトタイピング」が現在でも多くの企業で実践されているのは、アイデアを具現化しやすく、誰でも参加できることが大きなメリットとして評価されているからです。プロトタイプ制作は「作品」づくりではありません。コミュニケーションを促進するためのツールであることを理解しておく必要があります。

AIに処理をさせて時間を短縮できれば、もっとアイデアを出して、意見を聞くことができます。「キレイに作り込む」より「速くカタチにして対話する」ことがプロトタイピングでは価値になります。

今回は、Photoshopとの連携に絞りましたが、(2018年4月現在)50のAI機能がAdobe製品・サービスに搭載されており、まだまだ有効な手法があります。XDにAI機能がなくても、CCライブラリを介して作業すれば間接的にAIの恩恵を得られます。
Adobe Senseiの情報はまだ少なく、ネット検索しても出てきませんので現段階で「AI機能を使いこなす」のは難しいと思いますが、ゆっくりと時間をかけて、少しづつ試してみてください。

(ご質問)ミーティングしながらプロトタイプも作っているそうですが、具体的にはどのようにやっているのですか?

XDをメモ帳やスケッチブックのように使っています。私の場合は、タブレットPCでXDを使っていますので、アイデアを出しながら「落書きをするように」高速プロトタイピングをしています。こちらの動画をご覧いただければ作業の様子がわかると思います。
タブレットPCでXDを使用(Twitterの動画投稿)

(ご質問)Adobe Senseiというのは今使えるのでしょうか?

Adobe Senseiは、Adobeが開発しているAI(人工知能)技術群の総称です。AIの機能は10年以上前からPhotoshopやAfter Effectsなどに搭載されていますので、私たちはCSの時代からAIの機能を使っていることになります。今回ご紹介したAI機能もかなり古い機能です。
ただし、現在のAI技術で上書きされている機能も多く、処理能力は向上しています。最新のAIは常に「学習」しており、リリース時に「使い物にならない」レベルでも日々改善されていますので、今回のように「多くのユーザーが忘れてしまった古いAI機能」を紹介しています。

(ご質問)Adobe Senseiが使われている機能のリストはありますか?

50以上のAdobe製品(およびサービス)にAI技術が使われていると公式発表されていますが、その詳細については公開されていません。PhotoshopやLightroom、Adobe Stock、Premiere Pro、After Effectsなどのリリースノートには、搭載されているAI機能について簡単な情報が掲載されています。また、PhotoshopやLightroomの環境設定の中には最先端技術の機能を試すことができる「テクノロジープレビュー」の項目があります。

(ご質問)XD(とPhotoshopの連携)とInVision Studioではどちらが優れていますか?

プロトタイピングの作業内容や「何を求めるか」によって評価が異なります。
外観のデザインならグラフィックスに特化したPhotoshopを使いXDとデータを共有した方が効率的で表現の自由度も高いと思います。
アニメーションを含むインタラクションを手軽に設定したい場合は、InVision Studioが便利です。ただ、今回ご紹介したProtoPieとXDを組み合わせて使用すれば、もっと高度なインタラクションが可能になります。
まずは、試用版(期間限定で使用できるバージョン)をインストールして実際に試してみることをお奨めします。

XDやAdobe Sensei、AI活用などの情報は、Twitter(@commonstyle)で発信しています。

毎年年末に開催している「Shift」シリーズの第12弾として、2018年のWeb制作シーンを振り返ります。