2010年7月23日(金)
2010年4月17日、ベルサール神田で開催したCSS Nite LP, Disk 9「Coder's Higher」のフォローアップとして、『CSS3 for tomorrow [ver.LP9]』(福田泰雄さん/AGN、高津戸 壮さん/ピクセルグリッド)セッションのスライドと音声をシェアします。
拙いセッションでしたが、ご静聴のほど、ありがとうございました!お聴き頂いた1人1人の皆様がCSS3を使用してみよう、と考えるきっかけになってくれれば、とても嬉しく思います。
さて、CSS3の先進的な機能は、残念ながらInternet Explorerではほぼ利用できません。そのことから「まだ早い《「実務では使用できない《と感じてしまわれた方が、やはり多いように考えます。ただし、当日にも言及させて頂いたように、要は使い方ということです。
CSS3を利用することで特に素晴らしいところは、「開発速度の向上《です。角丸や影の実装など、特に時間が掛かるところをCSS任せにすることで、劇的に素早く作り上げることが可能になります。
・出先や打ち合わせにて、プロトタイプを制作してコミュニケーションの一助とする・自社サービス等で、アイディアを素早く形にする・紊期の短縮オプションとして提示してみる
...などなど、練りに練った制作物のディテールよりも、とにかく速さが求められる事例は、いくらでもあります。ここで積極的に提案してみることで、全体的な生産性を大きく上げることができるでしょう。
IEという単体のブラウザを気にして尻込みせず、使える場面はいくらでもある、ということに目を向けて頂けると、これからのWeb制作がとても楽しくなるかと思います。
Enjoy!
ご清聴のほど、ありがとうございました。CSSアニメーションはまだWorking Draftであり、ブラウザの実装もこれからです。おそらく、講演にこられた方は、日常業務の中で使うことはまだ無いな。と思われた方が多かったと存じます。私自身もそう感じますが、私見として、HTML5やCSS3は、これまでのように、単純な受託⇒コーディングというフローとは、別のところから使われだすものと考えています。
対応するブラウザが、広く一般に普及するには、まだ年月が必要でしょう。なので、「IE6をもターゲットにしたサイト作り」は、今後も確実に必要になるはずです。それを安直に無視してしまってよいというのは、制作者の傲慢でしかありません。ですが、ブラウザが限定された環境下では、現段階でも、何の問題も無く、利用することが可能です。今回とりあげたCSSアニメーションは、webkitの実装が最も進んでいます。とすれば、以下のような環境下では、何の問題も無く利用することが可能です。 * Airアプリケーション(HTML+CSS+JavaScriptが利用可能。webkitベース。) * iPhone用サイト(ブラウザはSafari) * android用サイト(ブラウザはChromeベース) * iPhone用アプリケーション(HTML+CSS+JavaScriptを利用できるフレームワークが存在する) * android用アプリケーション(HTML+CSS+JavaScriptで利用できるAPIが存在する) * Google Chromeの拡張機能(HTML+CSS+JavaScriptで記述する) これらを見て、あぁ、私とは関係のない話だなと思われる方もいるかもしれません。そして、HTML5やCSS3が普及したら、覚えないといけないことが増えるな、と。ですが、そんな心配をする必要はありません。なぜなら、ユーザーがいる限り、「IE6をもターゲットにしたサイト作り」は、確実に今後とも必要だからです。その土台に置いては、CSS3を使う理由など、全くありません。こちらからそういうことができるという提案をしなければ、そういったことを求められることは稀ではないでしょうか。特にweb業界に身を置かないクライアントからの依頼であればなおさらです。サイトを作ってほしいと依頼されるだけなのですから。
ですが、こう考えてみてはどうでしょうか。HTML5+CSS3を使えば、より価値のあるモノを提供できるようになると。「制作の単価が下がってきている」という現実は、web業界に身を置く者として、共通の認識であると私自身は考えています。「この状況を打破できるのがHTML5+CSS3である!」でしょうか?HTML5もCSS3も、単なる道具にすぎません。新しい道具が使えるようになってきているというだけの話です。ですが、このような技術がどんどん利用できるようになってきている今という時は、一つのチャンスが訪れている時期ではないでしょうか。どういった価値のあるモノが提供できるのか。これは、HTML5+CSS3で何ができるのかを知る者にしか提案できないことです。
話が広がりすぎましたが、是非CSS3に興味を持ち、試してみて頂けたら幸いです。
※Google chromeでのみ閲覧可能です
2019年、CSS Niteでは49回の関連イベントを通して123セッションが行われました。その中からベスト・セッション+αを選びました。