CSS Nite LP21フォローアップ(2)『Webデザイナーのための欧文フォント入門』(ヤマダコウスケさん)

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2012年2月4日(土) 、エッサム神田で開催したCSS Nite LP, Disk 21「タイポグラフィ、組版、Web Fonts」のフォローアップとしてヤマダコウスケさん(PETITBOYS)の『Webデザイナーのための欧文フォント入門』のスライド、音声などを公開します。

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フォローアップメッセージ

CSS Nite LP, Disk 21にご参加いただきどうもありがとうございました。私の講演によってフォントに興味を持ったり、さらに興味を持てたとの感想をいただき大変うれしく思います。

今回の講演ではトリビアやネタが中心でしたが、本フォローアップでは、当日いただきました質問にも触れつつ、私のフォント選びの考え方と少し実践的な内容をお伝えします。(※ただし、フォントというものはYesなのかNoなのか、いいのか悪いのか、といった単純な判断はできないと考えます。下記の内容も、あくまで私一個人考えだということを前置きさせてください。)

まず「フォントは流行で選んで良いのか」ですが、これについては大いに選んで頂いて問題ないと思います。特に欧文フォントについて言えば、日本は著名なデザイナーさんであっても知識が乏しく、HelveticaやDINばかりが使われている、あるいは自分で文字を作っているのが現状です。世界中のデザイナーはもっと自由に、色々なフォントを使っています。その流行を掴みとることができれば、それは皆さんにとって大きなアドバンテージとなるでしょう。

近年Web上でよく使われいるフォントとして、スライドではProxima NovaやMuseoを挙げましたが、今世界で最も使われている書体はGothamというフォントです。

実はこのGothamの人気が、WebフォントとしてProxima Novaがよく使われる要因となっているとの分析があります。Gothamは現時点でWebフォントとして使うことが許可されていないため、その代替として雰囲気が似ているProxima Novaがよく使われているそうです。

もう1つ「自分の好きなフォント(もしくはブランド)を決める」ことを是非実践してみてください。今回楽天Edyの例を出しましたが、アートディレクションをしている佐藤可士和さんは、Emigreというフォントブランドが大好きで、明治学院大学やISSEY MIYAKEとのコラボにおいても使っており、徹底的に使うことで、Emigreをあたかも自分のもののようにしています。

  • Emigre   その好きなフォントが、もちろんHelveticaやDIN、あるいはArialやComic Sansであっても構いません。ただプリインストールされているフォントやフリーフォントは誰もが使えるフォントであること、HelveticaやDINは有名すぎて使われまくっているため、個性を出すのであれば他の要素で違いを出す必要が出てきます。

今回触れませんでしたが、スライドで使われていた欧文フォントはHelveticaやUniversではなく、p.s.typeのRundaというフォントです。一目惚れをしてしまい気がつくと買ってしまっていました。

皆さんも何かお気に入りのフォントを「買う」ことで、愛着をもった自分だけのフォントを選んでみてください。フォントブログでは、間接的ではありますが色々なフォントを紹介したり、見つけられる機会を提供しています。

…ただし、クライアント仕事の際には、空気を読んで適切なフォントを使ってください。どの流行のフォントが合うのか、お気に入りブランドのどのフォントが合うのか、そもそもすでに使われているフォントを使ったほうが安全なのか。

フォント選びにはデザイナーの“こだわり”と“センス”、そして“判断力”も求められています。

2019年、CSS Niteでは49回の関連イベントを通して123セッションが行われました。その中からベスト・セッション+αを選びました。

2010年から2019年のベスト・セッション