2012年8月18日(土)
2012年2月4日(土) 、エッサム神田で開催したCSS Nite LP, Disk 21「タイポグラフィ、組版、Web Fonts」のフォローアップとしてコン トヨコさんの『欧文を扱う上での誤りやすい例』のスライド、音声などを公開します。
CSS Nite LP, Disk 21にご参加頂いた皆さま、ありがとうございました。今回私のセッションでご紹介した、「欧文を扱う上で誤りやすい例」の10例は、プロの仕事らしく自然にみせるためには、どれもはずせない項目です。せっかく聞いていただいたセッションの内容を、仕事でも活かせるよう、チェックシートを作成しました。もし欧文を扱う仕事にかかわる機会がありましたら、このチェックシートで組版をチェックしてみてはいかがでしょうか?A4でプリントして、半分に切って使ってください。
アンケートで頂いた質問について、お答えいたします。
欧文フォントが必ずプライムを持っているとは限りません。実際ない場合のほうが多いです。似ていても実はアクセント記号だったりします。また、文字コードの違いなどがあるため、使われるフォントをイラストレーターなどの字形パネルで確認してください。ない場合は、UniversalSymbolフォントなどを1つ持っておくのもよいですが、私の場合、半角引用符をかたむけたり、サンセリフ系の引用符で代用することがあります。セッションでは「プライムは引用符ではありません」とお伝えしましたが、目的は「目を無意味に止めさせない、自然な流れ」を作ることですので、すぐ違うとわかってしまうセリフ形の引用符ではだめですが、サンセリフ系のくさび型の引用符で、気にならない自然なものを見つけておくのもよいと思います。
この日付表記の場合、Mar.と2011の間にはスペースが1つ入ります。また、2011と30thの間はEnダッシュです(前後スペースなし)。この日付表記の方法はイギリス英語の表記方法の1つです。アメリカ英語の場合は、Mar. 1, 2011-Nov. 30, 2011となります(他の表記もありますが)。カンマ、ピリオドのいずれの間も1スペースが入ります。
ft.やin.のほかに、次のような単位の短縮形にはピリオドが入ります。ヤード=yd. マイル=mi.
重さや量を表す単位では、オンス=oz. パイント=pt.はピリオドがつきますが、グラム=g キログラム=kg はピリオドはつきません。(これらは「SI(国際単位系)」というルールに基づいています)
また、上記の距離や重さを示す単位は、3 yd.の場合もyd.でsはつきませんが、時の単位については、1より大きい数値の場合には、sが必要です。分=min. 秒=sec. 年=yr.a half yr. 1 yr. 3 yrs.
時間はh. または hr.と略すことができます。そして、hr. のときは 3 hrs.h.のときは 3 h.となります。ちょっとややこしいですね。
私が解説していることは、すべてが私の頭に入っているわけではありません。もちろん欧米の編集者やデザイナーだってそうです。そのようなプロの人たちが活用しているのが、『TheChicago Manual of Style』です。私もいつも手元にこれを置いて、わからない時には逐一ひいて確認しています。英語で読むのはしんどいし、もっと初歩的なことから身に付けたい、という方には、1つめのセッションにご登壇された高岡昌生[著]『欧文組版─組版の基礎とマナー』と、小林章[著]『欧文書体─その背景と使い方』をお手元に置いておくとよいと思います。
2019年、CSS Niteでは49回の関連イベントを通して123セッションが行われました。その中からベスト・セッション+αを選びました。