2013年8月22日(木)
2013年5月25日(土)、ベルサール九段で開催したCSS Nite LP, Disk 27「スマートフォン対応サイト制作(3)」のフォローアップとして、伊原 力也さん(ビジネス アーキテクツ)の『ケーススタディ:NTTデータグループウェブサイトのマルチデバイス対応』セッションのスライドなどを公開します。
皆様おつかれさまでした。
セッション9「NTTデータグループウェブサイトのマルチデバイス対応」を担当したビジネス・アーキテクツの伊原力也です。
ウェブサイト構築のプロジェクトというのは「コレ!」という決まりは少なく、さまざまな状況に対して、いろんな「やり方の引き出し」を使って対応していくことが多いものです。今回の内容が、その引き出しの一つになれば幸いです。私も今よりさらにイイ感じにプロジェクトが進められるよう、頑張っていきたいと思います。
なお、アンケートで「お客様がそのやり方に対してどう思ったか?(わかってもらえたのか?)」というご質問がありました。これは「クライアントが『デザインカンプを「旗」にする、ツッコミメソッド、後半は実装ベース』という進め方について理解を示してくれたのか?」というご質問として、お答えします。
このプロジェクトでは、社内でのツッコミを通り抜けたデザインを「旗」として出したわけですが、そのときに同時に「デザインコンセプト」という資料を提出し、クライアントにプレゼンしています。
これは、
・プロジェクトの要件をこのデザインがどう満たすか
・デザインの方向性やキーワード
・そのデザインを実現する実装の方向性
などを取りまとめたものです。
つまり「社内からのツッコミ」だけでなく「クライアントからもらいそうなツッコミ」にもきちんと答えられるようにして、信頼して任せてもらえるように準備したわけです。直接プレゼンできる相手だけでなく、海外にも関係者がいたというのも「根拠」のドキュメンテーションが必要だった理由です。
この内容に対してクライアントの納得感があったので、後半を実装ベースに移行することができたと考えています。プロジェクトによって力の掛けどころはさまざまですが、参考になれば幸いです。
今回のセッションのテーマについてじっくり腰を据えて考えたい方向けに、2冊ほど書籍をご紹介します。どちらも、デザイナーやエンジニアはもちろん、前段をきちんと考える部分に重点を置いてることから、むしろディレクターやウェブマスターにおすすめしたい内容です。
タイトルだけ見るとスマートフォン向けのデザインTips本のように一瞬思えますが、実は、書籍の大半である8章中の4章までが「要件定義」「ヒアリング」「設計」「コンセプトメイキング」の話題に割かれています。言葉遣いが平易なため、ラクな気持ちで読めるところもポイントです。
『レスポンシブWebデザイン 制作の実践的ワークフローとテクニック』
書籍全体の半分以上を使って、「RWDそのもの」「RWDをとりまく状況」「RWDにどう対峙すればよいか」という点を解説しています。これほど懇切丁寧な解説がまとまっているものは、日本語ベースではちょっと他に見当たりません。
書籍と合わせて、以下のやりとりに目を通すのもおすすめです。
2019年、CSS Niteでは49回の関連イベントを通して123セッションが行われました。その中からベスト・セッション+αを選びました。