CSS Nite LP47「Coder's High 2016」フォローアップ(1)サトウ ハルミさん(FLAT)、酒井 優さん(WEBCRE8)

2016年9月24日(土)TKPガーデンシティPREMIUM神保町で開催したCSS Nite LP47「Coder's High 2016」のフォローアップとして、サトウ ハルミさん(FLAT)、酒井 優さん(WEBCRE8)の『コーダー白書 2016』セッションのスライドなどを公開します。

セッション1「コーダー白書」を担当しました、FLATサトウ・WEBCRE8酒井です。

土曜日は長時間お疲れ様でした。各セッションとも充実して刺激的な一日でした。

LP47お申込みの際にいただいたアンケートでは、ほぼ100%の方が答えてくださり、

皆様のご協力があって、実現できたコーダー白書でした。改めて御礼申し上げます!

アンケートの集計中にリアルな数字が見えてきて、私達も楽しみながら企画を作っていきました。

以下、アンケートでいただいた質問への回答です。

マークアップエンジニアの給与の安さ

全アンケートデータに職業別の平均年収をまとめました。

男女の平均は職業の平均が大きく反映されています。

  • マークアップエンジニア平均年収 385.2万円
  • デザイナ平均年収 492.5万円
  • フロントエンドエンジニア平均年収 500.8万円
  • プログラマー平均年収 721.4万円

マークアップエンジニアとフロントエンドエンジニアとはなんなのか

個人的な知識と分析に基づく見解になってしまいますが、これは要は求人用語です。そもそもマークアップエンジニアとは現在多くの人が思っているであろう「HTMLとCSSができる人」というような職業ではなく、もっと幅広い職域を想定して考えられた職種でした。

マークアップ・エンジニアのTips - 第1回 マークアップ・エンジニアって何?:ITpro - http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080529/304737/

しかし業界が成長するに従ってこの職種を募集する会社は増え、求められる役割は細分化されてきました。このためマークアップエンジニアという募集で集まる人のスキルと企業のニーズが必ずしも一致しなくなってきたのではないかと推測できます。そのうち、JSを中心としたスキルを持つ人材に焦点を絞った職種としてフロントエンドエンジニアというものが生まれたのではないでしょうか。

年収に開きがあることや実際に多めの給料をもらっている方たちがフロントエンドと名乗っているのも、そういうスキルを求めて採用された方たちがそういう職種を与えられているからであると考えられるでしょう。

もう一歩踏み込んでほしかった、原因理由をもっと知りたかった

発表時間が時間が短いということもあったのですが、このセッションは他のセッションへのイントロダクションという位置づけでもあったため、アンケートでは情報としては浅くてもなるべく広めの情報を拾っているということをお知らせしたかったというのが私達の狙いです。とはいえ、各項目についてもう少し軸を増やして深掘りできればよかったというのは反省点でもあります。

今回、技術に関する質問で特に示唆が得られたと感じられたところは、各ツールの普及状況です。全体としては意外と普及していないような数字の出たツールも、コーダー、デザイナーに分けてみるとコーダーには浸透していて、それ以外の人にはそうでもないという結果が目立ちました。また、フロントエンドエンジニアを名乗る人のほうが全体的に高度なツールを使いこなしていたりしています。さらに言えば、「マークアップ」という領分にあるWAI-ARIAのようなものですら、使用者はフロントエンドエンジニアに偏り気味でありました。せっかくマークアップを名乗っているのならマークアップのスペシャリストを目指したいなと私自身感じました。

Sass、レスポンシブデザイン、SVGといった技術はコーダーの中では当たり前になっているため今まだ触ったことがないという人は少し焦るかもしれません。反対に、コーダーではない人で経験をしている人は今後さらに求められる人材になるかもしれないでしょう。こういった数値を自身の学習の火付けに使うのも有用であると考えます。

その他データはある程度揃っているので、皆さんで仮説を立ててデータを読むのも面白いはずです。

ペルソナがわかりやすい

ありがとうございます!今回は男女のペルソナを作りましたが、
コーダー・エンジニア・デザイナーと職業別のペルソナというのも作ってみたい…と構想が膨らみます。

引き続き毎回やってほしいです。

毎年技術や検証環境など比較したら、興味深いデータが出そうですね。

1-2年後のWeb制作はどうなっているか予想をまとめて、実際そのようになったか検証もしてみたいです。

コーダー白書について、ご要望があればTwitterで是非お知らせください!

サトウハルミ @uzu / 酒井優 @glatyou

#登壇スライド、全アンケートデータ

#コーダー白書 参考リンク

EditorConfig参考URL

http://editorconfig.org/

Popular Coding Convention on Github

http://sideeffect.kr/popularconvention#javascript

The W3C Markup Validation Service

https://validator.w3.org/

Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0

http://waic.jp/docs/WCAG20/Overview.html

実装チェックリストの例 2012年11月版

http://waic.jp/docs/jis2010/test-guidelines/201211/icl-index.html

Top 5 Desktop, Tablet & Console Browsers in Japan from Aug 2015 to Aug 2016 | StatCounter Global Stats

http://gs.statcounter.com/#browser-JP-monthly-201508-201608

2019年、CSS Niteでは49回の関連イベントを通して123セッションが行われました。その中からベスト・セッション+αを選びました。

2010年から2019年のベスト・セッション