Shift10:Webデザイン行く年来る年 フォローアップ(8)Webデザイントレンド

2016年12月17日(土)ソラシティホールで開催したShift10:Webデザイン行く年来る年(CSS Nite LP50)のフォローアップとして、『Webデザイントレンド』セッションのスライドなどを公開します。

メッセージ、補足

Shift10の8番目のセッションであるWebデザイントレンドを担当しましたグレーティブの原 (https://twitter.com/kara_d) です。
年末のお忙しい中ご参加いただきありがとうございました。

今回大量の情報をスライドに起こし、まとめましたがセッション内の短い時間では理解できない部分もあったかと思います。
年末年始、お時間のある時に今回使ったスライドを改めて振り返って、2016年の振り返りと2017年に向けた計画を考える材料としてください。

配布スライドについて、いくつか説明をしていきます。

まず、スライドはPDFで配布しますが、各キャプチャにはサイトへのリンクが仕込まれています。
キャプチャをクリックすることでブラウザにてサイトを閲覧することが可能です。
ほとんどのキャプチャにリンクが貼られていますが、フッター街のように、サイトの特定の箇所のみ取り上げ、言及を行ったものに関してはリンクをしてありません。

また、配布スライドの最後に「おまけ」というコーナーがあり、本編では行わなかったネタが3つほど収録されています。

  • アメリカ大統領選挙関連選挙
  • 色をブランディングに使う
  • テント

こちらも番外編として、お楽しみください。

グローバル企業のセクションで、「グローバル企業とマルチ解像度」というトピックにて登場したComplexion Reduction(コンプレクション・リダクション)についてもう少し書きます。
自分自身何度も目にしていながらすぐに忘れてしまうトレンドワードなので、本番中はうまく説明できなかったので、スマホUIセッションにて佐藤さんが紹介したリンク(リンクについては佐藤さんのスライドを参照ください)からかいつまんで紹介しておきます。

方向性としては、

  • フラットなデザインを超えている新しいトレンド
  • ミニマルなデザインの次

ということで、特徴は

  • 大きな、大胆な見出し
  • 単純なより普遍的なアイコン
  • 色の抽出

とのことです。

このトレンドがグローバル企業のWebサイトで今後どう使われていくのか、はたまた使われていかないのかについて続けて考えてみます。
スマホのUIのようにユーザが日常で何度も利用し、なるべくストレスにならないようにUIが統一的な方向へ向かっていくタイプのコンテンツと違い、そうそう何度もアクセスするわけではない上に、企業の特徴、ブランディングを大事にするであろうグローバル企業では、今の時点で推察するに相性が悪いように思えます。

ですが、Webデザインのトレンドはどういう方向へいくのかは本当に不思議なもので、1Webサイトの思惑とは別におおきなうねりの中で多数の採用を果たしたトレンドは全体に影響を与えていきます。来年このあたり、コンプレクション・リダクション(明日にはまた忘れてしまいそうです)の動向についても観察していきます。

続いて、配布スライドの有効活用方法について。

まず、個人で見て楽しむ、学習に使うというのがありますが、その先に同僚やお客さんと一緒に見て議論してみるという使い方もあります。
加えて、プレゼン資料の時に引用するという使い方もあります。
トレンドというのは不思議なもので第三者の口から発したもののほうがすんなりと受け入れやすいという性質があります。
ですので、プレゼンの際などに引用して、ビジネスの役に立ててください。
実際Webデザイントレンドで発表した内容がプレゼンで引用された資料をこっそり見せていただいたことがあり、有効活用されているようでした。

最後に、今後のWebデザイントレンドについて書きます。
大阪でも毎年Webデザイントレンドをやっているのですが、大阪版は来年3/25(土)に開催する予定です。こちら、大阪に同業のお知り合いなどいる方はぜひ教えてあげてください。

では、また来年お会いしましょう! よいお年を!

メッセージ、補足(坂本 邦夫さんから)

セッション8のWebデザイントレンドを担当したフォルトゥナの坂本です。
お忙しい中、ご参加いただきありがとうございました。

今年はデザインチェックをしていて、ここ3年でもっとも大きな変化を感じた年でした。何が変わったとか、斬新なデザインと言うことではなく、細部が一気に洗練されてきたように感じています。 特にアニメーションのタイミングの洗練は目を見張るほどです。動いた状態を見てほしいサイトがたくさんありますので、ぜひスライドから実際のページにアクセスしてください。出来れば複数の端末、画面サイズでご確認いただきたいと思います。

「坂本の目」でお伝えした画像解像度については、ブログにて補足していますので、。そちらもご覧ください。

高解像度の端末への対応について考えてみた
http://www.color-fortuna.com/blog/other/think-about-resolution.html

また「これからの10年について」では、1987年にアップルが発表したコンセプトビデオ「Knowledge Navigator」を紹介しました。

Apple's 1987 Knowledge Navigator Video
https://youtu.be/HGYFEI6uLy0

25年先の出来事は、決して人智を超えるものではなく、人の予測しうる範囲です。特にこの時期のアップルはスティーブ・ジョブズのいない時期となります。

私たちの10年後を予想できるかというと、けして簡単なものではありませんが、きっと誰かが想像できる範囲の変化にとどまるのではないでしょうか。その「誰か」を探しながら、今までより少しだけ周囲を見渡し、前を見て、柔軟に対応していく、そして大きな変化があってもなんとか乗り越えていく。これこそが人の持つ適応力だと思っています。「すべては人の行い」から生まれます。襟を正して、一緒に次の10年を乗り越えていきましょう。

告知になりますが、大阪版のデザイントレンドが来年3月25日(土)に開催されることが決まっています。大阪版レギュラー・水交デザインオフィスの深沢さんも加わり、時間もたっぷりでパワーアップしたセッションがお楽しみいただけるかと思います。ご都合がつく方がいらっしゃいましたら、ぜひお越しください。

今年もありがとうございました。よいお年をお過ごしください!

メッセージ、補足(矢野 りんさんから)

セッション8のWebデザイントレンドを担当したバイドゥの矢野です。
ご参加ありがとうございました!

最後10年目のコメントで引用したボブ・ディラン氏のコメント内容は以下で確認できます。
https://www.nobelprize.org/nobel_prizes/literature/laureates/2016/dylan-speech.html
和訳もたくさん出回っていますが、ぜひ原文にある彼のスピリットを感じてください。

アンケートにDLS(Design Language System)は普及するか?という質問がありましたのでフォローアップとして回答します。


普及する分野

  • グローバルをターゲットとする組織
  • 運用コストを下げて他の分野に投資する必要がある組織
  • 膨大なコンテンツを限られたリソースで運用する組織

普及しない分野

  • 制作会社のポートフォリオなど季節ごとにスタイルを刷新する組織
  • LPなど運用期間が短い制作物

です。DLSはあくまで運用の「コスト」を下げながら、UIのルック&フィール(いわゆるブランド)を統一することが目的ですから、その必要がないケースでは不要です。

DLSのお手本としてGoogle material designは、ぜひいちど一通りチェックしてみてください。

2016年はただ制作技術に精通していればそれでよかった時代が終わってしまい、異なる職域の人間と同じスコープを持って「求められるサービス」を実現しなければならなくなりました。私も未だに数字に対する認識の低さを指摘されたり、マーケティング技法の深さ知らずに悩むことばかりです。

来年は不勉強の強迫観念を捨て、わかんないことはわかんないで他の人に任せる力量も育てつつ、今の自分の課題を明確にして行きたいと思います!

ではまた来年!

2019年、CSS Niteでは49回の関連イベントを通して123セッションが行われました。その中からベスト・セッション+αを選びました。

2010年から2019年のベスト・セッション