2018年9月11日(火)
2018年4月28日(土)浅草橋ヒューリックホールで開催したCSS Nite LP57「All About XD」のフォローアップとして、境 祐司(Creative Edge School Books)の『Adobe XDアドバンスド~最先端プロトタイピング手法の実践』セッションのスライドなどを公開します。
フォローアップメッセージは、イベント開催直後(2018年4月)の時点のものです。
ご参加された皆さん、お疲れ様でした。
このセッションで、Adobeのクリエイティブツールが「AI(人工知能)の技術で少しづつ進化し始めている」ことを知っていただけたら幸いです。
Adobe XDのツールバーには、長方形ツールや楕円形ツール、ペンツールなど、ごく基本的な機能しか搭載されていませんよね。このツール構成は、2016年3月に登場したプレビュー版から変わっていません。XDの開発チームは、アプリケーションソフトのパフォーマンスを最も重視しており、今年の1月アップデートでもズームパフォーマンスが大幅に強化されました。
プロトタイピングツールの開発で死守すべきは「軽快に動く」こと。多少古いマシンでも、もたつくことなく速く動くことがとても重要です。紙とペンだけの「ペーパープロトタイピング」が現在でも多くの企業で実践されているのは、アイデアを具現化しやすく、誰でも参加できることが大きなメリットとして評価されているからです。プロトタイプ制作は「作品」づくりではありません。コミュニケーションを促進するためのツールであることを理解しておく必要があります。
以下の画像をご覧ください。今回のイベントに登壇した皆さんが1つの画像にまとまっています。これは、AI(人口知能)が自動的にトリミング・レイアウト処理したものです。Content-Aware Layoutsと呼ばれる技術が使われています。
※現在はまだAdobeの製品でこの機能を使うことはできません。
実際のWebサイトで使用するカバー画像なら、修正しなければいけない箇所がたくさんありますが、プロトタイプで使うのであれば十分な仕上がりです。XDで作業したら「1時間」近くはかかってしまいますが、AIを使えば「1分」かかりません。
AIに処理をさせて時間を短縮できれば、もっとアイデアを出して、意見を聞くことができます。「キレイに作り込む」より「速くカタチにして対話する」ことがプロトタイピングでは価値になります。
AI(人工知能)機能をプロトタイピングでもっと活用すべきだと考えています。
本番作業では「使い物にならない」未熟なAIでも、プロトタイピングでは問題にならないことが多いからです。
今回は、Photoshopとの連携に絞りましたが、(2018年4月現在)50のAI機能がAdobe製品・サービスに搭載されており、まだまだ有効な手法があります。XDにAI機能がなくても、CCライブラリを介して作業すれば間接的にAIの恩恵を得られます。
Adobe Senseiの情報はまだ少なく、ネット検索しても出てきませんので現段階で「AI機能を使いこなす」のは難しいと思いますが、ゆっくりと時間をかけて、少しづつ試してみてください。
XDやAdobe Sensei、AI活用などの情報は、Twitter(@commonstyle)で発信しています。
※スライドはPDF版だけではなくインタラクティブ版も用意しました。講演で使用したデモンストレーションのビデオが含まれています。複雑なスクリプトで動作していますので、パソコンでご覧ください。動作が重たい場合は、ダウンロード版を使ってください。
2019年、CSS Niteでは49回の関連イベントを通して123セッションが行われました。その中からベスト・セッション+αを選びました。