2018年9月11日(火)
2018年4月28日(土)浅草橋ヒューリックホールで開催したCSS Nite LP57「All About XD」のフォローアップとして、栄前田 勝太郎(リズムタイプ)の『クライアント視点から考えるXDの導入・活用方法』セッションのスライドなどを公開します。
フォローアップメッセージは、イベント開催直後(2018年4月)の時点のものです。
セッション7「クライアント視点から考えるXDの導入・活用方法」で登壇した栄前田です。ご参加ありがとうございました。
他のセッションとは異なり、実際のクライアントワークにおける導入や実務における活用方法を紹介しました。
XDはデザイン、コミュニケーションと多岐に渡って活用できるツールではありますが、新しいツールはそれをいかに導入し、実務においてどのように活用していくかという点が課題になりますので、それについて何かしらの参考になれば幸いです。
「クライアント視点」というワードがイメージしにくい方もいらしたと思いますので補足ですが、ディレクターとしての立場では制作側だけではなく、クライアント側に立った物の見方が必要になりますので、その意味で「クライアント視点」という言葉を使っていました。
また、幅広くXDを利用したケースを紹介しましたが、もちろん何でもXDを使えばいいということではなく、クライアントやプロジェクトの性質に合わせて適宜判断する必要はあります。今回は幅広く紹介することで、皆さんの参考になるケースがあればと考えていました。
キャプチャでも書き出すのでもなく、XDから該当部分を選択・コピーして、Googleスライドにペーストしていました。
XDからGoogleスライドへのコピー&ペーストは見た目はほぼそのまま持って行くことが可能です。(ただし、テキストも画像化されてしまうので、その後の編集は行えません)
クライアントと事前に相談・調整していますが、共有したXDのURLでOKとしてもらうことが多く、それ以外では書き出したPDFファイル。または先方にXDの環境があればXDファイルを成果物としています。
基本的にはクライアントの環境にXDを導入してもらう必要はなく、共有URLでご確認・お戻しいただくという導入となります。
そのため、プロジェクトへの導入時点ではコストは発生しませんので、問題はありませんでした。
なお、紹介していましたクライアントがXD環境を導入されたケースは弊社からの提案ではなく、クライアントが自ら導入したいという意向でした。
ほとんどの場合はクライアント側でXDを導入する必要はなく、共有リンク+α(補足ドキュメント等)でプロジェクトに導入・活用できるのではないかと考えています。
クライアント側でXDの導入が必要かどうかは、クライアント側にXDファイルを編集したいというモチベーションとその時間が取れるかどうか(その体制が作れるか)で判断されるのがよいかと思います。
弊社の場合ですが、XDを利用する部分については、どのようなフローとなり、どれくらいの稼働工数がかかるかを伝えています。
簡単に見えるけど、実は工数はきちんとかかっているということを伝えることで回避できるかなと思われます。
(クライアントの関係の問題もあるかと思われますので、一概には言えないと思いますがご参考までに)
2つ対応パターンがあると思います。
1つは、なぜ紙やPPTで作る必要があるのか、本当に紙やPPTでなければならないのか、という話をするきっかけにしてしまうパターンです。
この場合、XDを導入したパターンでどのように変わり、どのようなメリットがあるのかを合わせて伝えます。
もう1つは、紙やPPTで作りつつ、部分的にXDを利用してみて、比較してもらうパターン。手間はかかってしまうのですが、比較してもらい、XD利用に誘導するように提案します。
そう思っていただいてよかったです。
XDはディレクターにこそ使ってほしいツールです。クライアントやデザイナーやエンジニアとのコミュニケーションや、プロジェクト全体の成長のきっかけになるツールですので、ぜひ活用してもらえればと思います。
体制や状況によるところはあると思いますが、クライアントとの打ち合わせの場に制作側のメンバーも参加してもらうのが一番伝わるかなとは思います。
ディレクターや仕組み的なもので伝えることも可能と思いますが、熱量という点については、実際に対面して体感してもらえると、納得感が得られると考えています。
活用ケースでは弊社でトライしてみたケースで、クライアントから見た場合には「XDではなく他のツールでもいいかもね」という意見が出てくるものなので、XDじゃなくてもいいかも、とクライアントのコメントを掲載していました。
XDが適しているかどうかはクライアントやプロジェクトの性質によりますので、もちろんケースバイケースですが、トライしてみる価値はあるかと思います。
弊社はクライアントとのコミュニケーションにかなり時間をかけますが、やはり初めてのお取引のクライアントの場合は読み切れない場合があり、失敗談のケースに至ってしまうこともあります。
回避できるのがベストですが、失敗となってしまったケースもそれを次回以降への改善への学びとするようにしてします。
2019年、CSS Niteでは49回の関連イベントを通して123セッションが行われました。その中からベスト・セッション+αを選びました。