2018年9月11日(火)
2018年3月3日(土)ベルサール神田 イベントホールで開催したCSS Nite LP56「ウェブサイト制作、手を動かす前に考えておくこと [Part II]」のフォローアップとして、枌谷 力さん(ベイジ)の『10人のweb制作会社が代理店に頼らず自社サイトだけで年間400件超の依頼を獲得するまでに実践したこと』セッションのスライドなどを公開します。
フォローアップメッセージは、イベント開催直後(2018年3月)の時点のものです。
ベイジの枌谷です。初めてのCSS Niteでしたが、皆の温かい反応によって緊張しすぎずに登壇できました。ありがとうございました。
登壇テーマを深堀するにあたって2つのことを考えました。一つは登壇中のことです。もう一つは登壇翌日以降のことです。
CSS Niteに参加された方にとって「役に立つ」とはどういうことか。そのことにフォーカスすると、私がより重視すべきは「登壇翌日以降」であると考えました。人の記憶は薄れていくものですが、記憶が薄れても「役立つもの」であろうと思いました。そう考えて、私の強みである「言語化されたコンテンツ」つまりは「スライド」に今回は力点を置きました。
登壇中の私の話を振り返りながら、スライドを見ていただくことで、皆さんの戦略や提案業務のお役に立てればと思っています。あるいは私の話の記憶が薄れても、スライドを見れば思い出せる/理解できるように、文字を多めにしました。
登壇中の話のみならず、フォローアップの資料も加わることによって、制作に携わる皆さんのキャリアに良い影響を与えることができればと思っています。
登壇内容についてご質問等があれば、FacebookやTwitterなどで気軽に連絡ください。その際には「CSS Niteに参加しました」と書いていただけると嬉しいです。
[登壇で紹介したベイジのサイト]
コーポレートサイト:https://baigie.me/
ベイジの社長ブログ:https://baigie.me/sogitani/
ベイジの日報:https://baigie.me/nippo/
ベイジの用語集:https://baigie.me/glossary/
[枌谷力のアカウント]
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正確には「受託のweb制作会社がクライアントのUXデザインをするというのは不可能」ということです。
「UXデザイン」とはユーザー体験のすべてをデザインすることだと私は思っています。これは当然、webサイトだけでなく、サービス設計から組織作りまですべてのことに手を加えなければ不可能です。一方、受託のweb制作会社のスコープは基本的に「webサイトを作ること」です。そのため、「受託のweb制作会社がクライアントのUXをデザインするというのは不可能」という結論になります。「UXデザイン」とは何を意味するのか、本質を学べば学ぶほどその考えに至ります。
ただこれは、「UXのことは考えない」「UXに関わる提案はしない」とイコールではありません。webサイトが戦略的に機能するものになるためには、UXを考えることは不可欠です。またクライアント企業はマーケティングやUXをきちんと整理できていなことも非常に多いです。
そのため私たちはwebサイトの検討から派生してUX領域のリサーチや整理、言及も積極的に行っています。webサイト以外でもやるべきだと感じたことは忌憚なく意見しています。ただ私たちはあくまでweb制作者であり、webサイトをUXに最適化することはできてもそれ以上のことは限界がある、皆さん(クライアント)主体でしっかり考えていただく必要がある、というスタンスを取っています。
その根幹には、UXデザインはそもそもすべてをアウトソースしてできるものではない、事業者側が主体にならないと実現できないという考えがあります。またクライアントがすぐにできないことを「これやってない御社はダメ」と厳しく詰めることに意味がないとも思っています。
繰り返しますが、だからといってUXの話を放り投げるようなことはしませんが、ビジネスとしての現実的な落としどころをweb制作に置いているが故のスタンスです。
もちろん「web制作ではなくUXデザインの支援業務をしてほしい」という依頼が来ればまた話は別です。それと自分たち自身、つまりベイジという会社自身に関しては、当然私たちが事業の主体者なわけですから、少なくとも他の会社よりはしっかりとUXデザインができている、という自負はあります。
ただそれでも、「webサイトでUXデザインをする」というのは不可能で、webサイト起点で言えば、「webサイトをUXに最適化する」というのが正確なのではないかと考えております。
こういった考えが、「受託だとUXデザインができない」という端折った発言の中には含まれていました。
お仕事をお請けするかどうかを判断する基準は、基本的に以下の3つです。
このうち3については、より具体的かつ細かな基準を設けていて、さらに言えばバランスを見て判断しているので、複雑かつ感覚的であったりします。
例えば、以下のような傾向のある案件だと、私たちは良い仕事がおそらくはできないので、お断りする可能性が非常に高いです。
などです。これらを総合的に判断しています。
契約までの工数というか、やることは以下の3点です。
「進め方の資料」というのは過去の実績などをまとめたものなので、それほど手間をかけずに作っています。
問い合わせ数が年間100件台だったころは提案コンペへの参加も行っていたのでより工数をかけていました。しかし今は個別の提案を必要とするコンペは一切受けなくなり、営業に工数をかけなくなりました。
そのため、面談以降の受注率自体は落ちました。以前は90%を超えていましたが、今は50%くらいです。ただし営業効率は飛躍的に上がりました。
2019年、CSS Niteでは49回の関連イベントを通して123セッションが行われました。その中からベスト・セッション+αを選びました。