2019年11月13日(水)
2019年6月1日に大崎ブライトコアホールで開催したCSS Nite LP62「Webアクセシビリティの学校」特別授業のフォローアップとして、辻 勝利さん(コンセント)、植木 真さん(インフォアクシア)の『辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシブル GO GO!!「スクリーンリーダーで『Backlog』を使ってみる」の巻」』セッションのスライドなどを公開します。
先日はお忙しい中、Webアクセシビリティの学校特別授業にご参加いただき、本当にありがとうございました。 これを機に、皆様と様々な分野のアクセシビリティを高めていけることを願っております。
僕たちのセッションでは、スクリーン・リーダーを使ってBacklogを操作している様子をご覧いただきましたが、もしかしたらこれをきっかけに、ご自身でもスクリーン・リーダーを触ってみようと感じてくださった方もいらっしゃるかもしれません。
このフォローアップでは、そんな方のお役に立てるよう、スクリーン・リーダーと便利な関連リンクをご紹介したいと思います。 是非アクセスしてみてください。
無償でオープンソースのスクリーン・リーダーで、今回デモで使用いたしました。
Mac OSやiOSに標準搭載されているスクリーン・リーダーです。
「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」をご存知ですか?
実は、2007年9月~2011年5月まで、辻ちゃん・ウエちゃんは、ポッドキャストをやっていたのでした。その迷コンビが復活してのセッション、アンケートを拝見すると、皆さんに楽しんでいただけたようで嬉しく思っています。
「アクセシビリティ」というと、必ず話題に上がるのがスクリーンリーダー。そして、最も難易度が高いのも、スクリーンリーダーのアクセシビリティ確保ではないかと思います。
でも、必要以上に身構えることはありません。今回「Backlog」を事例として紹介した基本の「キ」を実践してみるだけで、辻ちゃんにとってもより快適に利用できるコンテンツに「高める」ことができます。
スクリーンリーダーの読み上げを初めて聞いたという方もいらっしゃいましたが、辻ちゃんが紹介しているリンクなどを参考に、まずは体験してみてください。Windowsユーザーの方には、「NVDA日本語版 操作ガイド」に沿って試してみることをオススメします。
情報を設計するときにアプリ内でこういうパーツはボタンで、こんなパーツはリンクで、みたいにきちんと一貫性を持たせてもらえれば良いのではないかと思います。スクリーンリーダーの「NVDA」の場合、ボタンはB、リンクはKで拾い読みすることができるのですが、例えば、全てボタンだけで作られていたとしたら、もしかしたらユーザーとしては押したいボタンを探すのが少し大変かもしれません。とはいえ、サイト内やアプリ内で操作に一貫性があることがもっともありがたいこと、のような気がします。
ページ遷移するものはリンク(a要素)、何かの機能を実行するものはボタン(button要素)にしたほうがよいと考えます。例えば、ユーザーがブラウザの新しいタブやウィンドウで開けるなら、それはリンク(a要素)だと考えればよいという考え方もあるようです。
「姓」と「名」をlabel要素でマークアップするのに加えて、全体をfieldset要素で囲んで、「氏名」をlegend要素でマークアップすることで、全体をグループ化できます。
スライドの色を反転していた理由は、その通りです。白の背景に黒文字よりも、黒などの濃い背景に白文字のほうが、見えやすく目に負担をかけないといわれています。海外のアクセシビリティのカンファレンスでは、スライドの背景を黒にすることが推奨されていることもあります。
また、ロービジョンなどの視覚障害がある人は、PCの画面を白黒反転していることがあります。伊原さんのセッションでも紹介されていた動画を最初からご覧いただくと参考になるかもしれません。
点字ディスプレイを演台の上に置いて、点字を指でなぞりながら、スライドの内容にあわせてお話をしていました。ディスプレイはBluetoothで演題下に置いたPCと接続されており、話している間にもTwitterでメンションされた内容も表示されておりました。ちなみに、辻ちゃんが使用しているのは、Focus 40 Blue V 点字ディスプレイという点字ディスプレイです。もちろん、ウエちゃんと入念な打合せとリハーサルを繰り返して、本番に臨みました。
普段はほとんど使うことはないのですが、想定している操作が行えなくて困ったときなど、ふと思い出してCSSを無効化して試すことがあります。ただ、画面上から隠してあるものまで(エラーメッセージとか)読み上げてしまうので使いづらいことも多いのですが…。
2019年、CSS Niteでは49回の関連イベントを通して123セッションが行われました。その中からベスト・セッション+αを選びました。