2019年2月 6日(水)
2018年12月22日に都内で開催したCSS Nite Shift12「Webデザイン行く年来る年」として、植木 真さん(インフォアクシア)、守谷 絵美さん(Chatwork) の『アクセシビリティ、やっていいとも!』セッションのスライドなどを公開します。
「アクセシビリティ」セッションを担当したインフォアクシアの植木&Chatwork株式会社の守谷絵美です。
今年は、「デザイナー視点から考えるアクセシビリティ」をテーマに、守谷さんから体験談や実践事例をご紹介いただきながら、今年話題になったトピックスを振り返ってみました。
私のマシントラブルにより、全体の進行が遅延してしまいました。この場をお借りして、改めてお詫び申し上げます。
さて、今年の「アクセシビリティ」セッションはいかがでしたか?
ここ1~2年、各地で開催しているセミナーはどこも満員御礼になるなど、Webアクセシビリティへの関心が高まっていることを実感しています。セミナー参加者のアンケートでは「意外と普通のことをやればいいんですね。」、「もっと難しくて面倒なものだと思っていました。」という感想をよくいただきます。
今回のセッションは、ビジュアルデザインに関するお話が中心でしたが、皆さんのコンテンツをより快適に利用してもらえるようになるヒントがいくつもあったと思います。スライドの最後には、守谷さんオススメのツール一覧もありますので、お時間のあるときに是非ご覧になってください。
ご聴講くださいまして、ありがとうございます。
今セッションでは最後の方に少し紹介しただけにとどまりましたが、アクセシビリティ対応とは、情報をあらゆる形に変形させながらユーザーに届けられるという、Webの持つ壮大な力を最大に活かすための対応だと思っています。Webブラウザを超えた支援技術のための対応、と思うとワクワクしませんか!
私自身、アクセシビリティの物凄いスペシャリストなわけではなく、基本的なことを地道にこなしていっているだけです。今回はその手法の一部をご紹介して、会場では植木さんと作成した『基本のキ』10項目も配布できました。
できる所からコツコツと進めて、ぜひそれをSNSなどで広めてください。そうすると次のゲストはあなたになるかもしれません、よ!
例えば、JIS規格(JIS X 8341-3:2016)やW3Cのガイドライン(WCAG 2.0 / 2.1)では、どういうページなのかが分かるようにページタイトルを提供することを基準としています。
必ずしも「同じものが複数」あってはいけないというわけではありませんが、ページの内容が異なれば、自ずとページタイトルも異なるものになるはずです。
もし同じ文言になってしまう複数のページがあったら、改めてページの内容を見比べてみて、それぞれの違いが分かるように文言を補足するなどしてみるとよいでしょう。
ちなみに、title要素の文言は、検索結果ページでもよく使われています。そのため、私はいつもそのページタイトルだけを見て、ユーザーが目的の情報がありそうかどうかを判断できるか?という視点でもチェックするようにしています。
全国かどうかはわかりませんが、東京ではよく放送されています。先日、岡山の知人がたまたまNウォームの話をしていたので、おそらくニトリの店舗があるエリアでは放送されているのではないでしょうか。
特にシニア層に限定した基準はありませんが、今回ご紹介した4.5:1のコントラスト比はW3Cのガイドラインで定められた基準なので、実質的に世界標準になっているものです。
シニア層は、年齢からくる視力の衰えや白内障などの眼の疾患などで「見えづらい」人が多いです。もしシニア層だけをターゲットにしたコンテンツであれば、ワンランク上の7:1を目安にしてもよいかもしれません。
ちなみに、ワタクシ自身、老眼を自覚するようになってきてからというもの、4.5:1以上の基準をクリアしているコンテンツはとても読みやすいと実感しています。
【植木】
まずは、会場でお配りした「Webアクセシビリティ確保 基本の『キ』」を是非活用してみてください。なお、ウェブでは各項目の解説ページも提供していますので、あわせて確認してみると、意外とフツーのことが多いのに気がつくはずです。
【守谷】
私も15年近く前に、植木さんの提唱される基本のキ10項目を確認することから始めて、次にWCAGを読む、という順に学んでいきました。10項目が頭に入っていれば、一見難解なWCAGもとっつきやすく感じると思います。皆さんにも基本のキをお届けできるお手伝いができて、光栄です。
Webアクセシビリティ確保 基本の『キ』
https://bit.ly/weba11y10
以上となります。
それでは、皆さんもう一度いきますよ!?
来年も、アクセシビリティやってくれるかな?
2019年、CSS Niteでは49回の関連イベントを通して123セッションが行われました。その中からベスト・セッション+αを選びました。