2020年1月 2日(木)
2019年5月18日に大崎ブライトコアホールで開催したCSS Nite LP61 「これからのフォントとウェブでの組版を考える日」のフォローアップとして、松田 直樹さん(まぼろし)の『Webフォントを120%活用するための基礎知識&最新動向』セッションのスライドなどを公開します。
ご参加いただきましたみなさま、大変ありがとうございました。そして、長丁場お疲れ様でした。
私のセッションで紹介いたしましたとおり、OpenTypeそしてCSSの進化によって、Webにおける文字表現の制限は取り払われつつあり、紙と同等の表現が可能になってきています。フォントサービスや和文書体数も充実し、スクリーンタイポグラフィの自由度が大幅に増しました。
まさに、文字を文字そのものとして、好きな書体を選んで実装できる、ということです。スクリーンでの書体表現をより豊かなものにしていければ、と思っております。
ただ「Webフォントを使う」というのは、デザインの手段であって目的ではありません。「その書体を使うことによって、ユーザーが何らかのベネフィットを得られる」ことが目的であります。重いフォントを読み込んでなお、メリットがなければいけません。
また、その書体表現を見ることができない人・状況・環境があります。それらについても考慮することができる、というのがWebが紙と圧倒的に異なる特性でもあります。
デザイナーが思い描く書体表現をそのまま実装できるメリット・デメリット、それら双方をよりよいバランスで考えていきたいと思いますね。
改めまして、みなさんありがとうございました。
セッション中、スクリーンに最適化されたフォント事例としてHelvetica Nowなどを紹介しましたが、その中での「Display」書体はスクリーン専用というものではなく、「見出しに適する」書体として用意されているものでした。訂正いたします。
A. Variable Fontにおける可変である特性や可変の具合というのは、フォントごとに異なりますので、確かに、一概に良いものだとは言えないでしょう。ただ、デザインする側、またはユーザーに選択肢をもたらす機能としては大変効果のある仕様だと考えます。
例えば、行政系のサイトにはよく「文字を大きく/小さく」するUIが設けられています。これと同じように「文字を濃くする/薄くする」のようなUIも実装することができる、ということです。文字サイズはブラウザ側の機能で変更することができるのでサイズ変更UIの実例は減ってきていますが、この文字を太く/細く、微調整できるというのは、CSSとVariable Fontの組み合わせでのみ実現できることです。
読みやすくする工夫の土台になりうる、ということですね。
2019年、CSS Niteでは49回の関連イベントを通して123セッションが行われました。その中からベスト・セッション+αを選びました。