CSS Niteのつくりかた
ギリギリまで集客に奔走すると、当日のアレコレに意識がまわりません。また、何より胃が痛い...
特に地方の場合には、家族の予定が入る前にスケジュールを確保いただくことが超重要なので、とりあえず、日付だけでも早めに出していく必要があります。
※そもそも大きめの会場は、半年前くらいでないとブッキングできません。
イベント設計にあたり、次の3点を明確にしましょう。
会場選定で一番重要なのは、スクリーンの大きさです。
施設情報に掲載されていない場合、聞いてもよくわからない場合には、次の表を参考にしてください。
横 | 縦 | インチ数 | 会場でいうと | 最適な人数 |
---|---|---|---|---|
2,000mm | 1,500mm | 100インチ | 50人まで | |
2,500mm | 1,800mm | 120インチ | ||
3,200mm | 1,800mm | 150インチ | 80人まで | |
4,000mm | 3,000mm | 200インチ | それ以上 | |
5,000mm | 3,750mm | 250インチ | ベルサール神田 | |
6,000mm | 4,500mm | 300インチ | ベルサール新宿 |
アプリの細かい箇所やUIの細かい文字などが見えにくいので、アプリケーションの操作などが中心のものには、小さいスクリーンは不向きです。
プロジェクターの明るさを表す「ルーメン」数を調べてください。現状、多くの会場では、会場の照明を落とさずに使えるプロジェクターが主流です。
なお、EPSON 1925W(4000ルーメン)をお貸しすることが可能です。送料をご負担ください。
プロジェクターには「ランプ」と呼ばれる消耗パーツがあり、これが経年劣化します。経年劣化によってだんだん暗くなるため、実際に会場に行くと意外に暗い、ということがあります。購入すると5万前後くらいするので、なかなか購入できない会場が多いようです。
事前に会場でのチェックができないはじめての会場の場合、会場がオープンした年や、プロジェクターの発売時期などを調べておくとよさそうです。
椅子だけの会場を「シアター形式」、机と椅子の会場を「スクール形式」と呼びますが、この用語は、一般的な参加者には伝わりません。
椅子だけの会場がありますが、この場合、概要にて、事前の案内が必要です。参加者目線で、「え?机ないの!?」というガッカリ感は悲しいものがあります。
あと、「スクール形式」「シアター形式」も、通じない人が多いので、「スクール形式(机+椅子)」「シアター形式(椅子のみ、机はありません)」のように記述するか、そもそも、椅子のみのときだけ、但し書きをつけるとよいかな、と思っています。
一度、KDDIウェブコミュニケーションズの会場でやってしまって反省しているのですが、机、椅子、ソファーがあって、誰がどのような基準でどこに座れるのか、何かしらガイドラインがないと不満に思う人が出ます (先着順、というものでもよい)。
どうしても仕方がないときでない限り、「机あり」の会場がのぞましと考えます。「机なし」の限度は、2時間くらい。PCなくても、メモだって取りたいし、飲み物だっておきたい。
CSS Niteの最大の失敗は、青森での地方版を3,000円でスタートしてしまったことだと考えています。 5,000円くらいを基準に値付けしていくと、運営がずいぶんラクになります。
ちなみに、広島版は、例年より集客自体は減っていますが、1,000円値上げしたことで黒字は増えているようです。 有料か無料かは大きな違いですが、3,000円と5,000円はあまり変わらないような気がします。
いろいろと詰める前に、ざっくりレベルで、こんな構成を考えている等、相談いただけますようお願いします。
企画段階においては、参加者を優先しすぎない方がよいと考えています。 企画者達自身が制作者であるというのがCSS Niteの特徴。つまり、自分(たち)にとってホットなことを取り上げることを優先していいと思います
(アップルがフォーカスグループを使わない、という考えに通じるところがありますが...)。
なお、それで意見が割れるなら、複数回に分ければいいだけの話。
講師に対しても同様で「頼んでみたものの、なんか話してもらいたい内容と(喋りたい)内容が異なる」といったケースが出てくることがありますが、企画者のエゴを通してよいのではないかと思うのです。
テーマ選定でOKでも、「このあたりを取り上げて欲しい」など、リクエストを出していきましょう。
運営側にまわると、当日じっくり聞けないなど、本末転倒になってしまいがちですが、事前事後に、直接リクエストしたり、確認みたいなスタンスでテクニカルなやりとりも可能ですし...
自分という「ひとりの制作者」にとってより有益な内容になるほど、参加者にも還元されるのではないかと考えています。 ちなみに、私は、これを「知的好奇心の私利私欲」と呼んでいます。
「独自の企画」にこだわりすぎる必要はないと思います。 「あそこでやったあのセッション、おもしろそうだからお願いしよう」がもっとあっていいのではないでしょうか?
2012-2013年のMSツアーは、地方枠以外、同じコンテンツで構成しましたが、毎回ブラッシュアップされていきました。講演者にとっても、準備が少なく、毎回、リファインしながら、クオリティの高いものを提供でき、よいことばかりです。
都内版のフォローアップを公開しているのは、便宜をはかっているだけでなく、地方版にて再演を検討いただきたい、という意味もあります。
次のようなバランスをご検討ください (出演者でムリなら、司会+サブなど)。
お住まい | 都内のスピーカー | 土地のスピーカー |
---|---|---|
性別 | 男性 | 女性 |
習熟度 | ・ベテラン | ニューカマー |
[A]→[B]の順番で検討してみてください。
このセミナーイベントに参加すると「〜」になる。 の「〜」の部分を明確にして共有するのが先決です。 (言い換えれば、何を持って帰れるか?)
同時にターゲットの設定。 いいかえれば、「どんな人に、何を提供するか」(サイトと一緒ですよね)。
「この人を呼びたい」が先走ると、まとまりがつきにくいケースが多いと思います。 それはそれで大事なんだけど、その場合、[A]に戻って再検討。
集客に苦労する場合、[A]がうまく伝わっていないのではないかを検討してみてください。つまり、セミナーイベント全体はもちろん、各セッションごとに、なぜ、そのセッションを聞く意味があるのか? 持ち帰れるバリューは何か?と明確にするとよいと思います。
年に1回とか、たまにやるとあれもこれも入れたくなっちゃう気持ちはわかるんですが、トンガり度を満足度は比例しますよね。
規模の問題もあるんですけど、「イマイチだったな〜」「コスパ的に...」って思うと、その気持ちが、次の参加に躊躇するところにつながってしまうので、なるべくエッジを立てた方がよいように思います。
逆に「ノー・コンセプト」をコンセプトに、幕の内的に、いろいろ入れるのもありだとは思いますけど、多くの場合、これが有効なのは、第1回/第2回目くらいです。
先日のCSS Nite in OKAYAMA, Vol.4では、「デザイナーじゃなくても知っておきたい、成果の上がるWebデザイン」というテーマを設定されていました。各セッションの評価はもちろん、トータルでも素晴らしいイベントでしたが、参加されたから「テーマと合っていない...」といったコメントをいただきました。
テーマだけではなく、各セッション概要を読んでから参加を決定すればいいのに...と思うところですが、テーマに対するそれぞれのセッションの位置づけなどを深読みされる方もいて、テーマを設ける以上は、やはり、それにそった方向で調整するのがスジといえばスジです。
現在、多くのCSS Nite地方版は、次のようなフォーマットで行われています。
このフォーマットには、次のようなメリット/デメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
上記のデメリットの逆バージョンは「アリ」ですので、 ひとつの方向性として検討する価値は多いにあります。
特に地方版では、休日のセミナーに関して、次のような声を聞きます。
そういう意味でも地方版にこそ、少ないスピーカーでの開催が合っているかもしれません。 ただし、これは決めてしまう必要はなく、バリエーションとして展開するとよさそうに思います。 特に「集客が減ってきて、次の開催に腰を上げられない」という地方版は、検討してみてください。
なお、運営側は 「バラエティに富むこと」 「コスパがよいこと」 を重視しがちですが、参加者の方は 「財布から出て行くお金が少ない方がよい」 「短時間で終わった方がよい」 の方にウエイトがおきがちであることを最後に。
別の面から見ると、CSS Nite都内版では、バリエーションがあります。
地方版では、せっかく移動した講師のハンズオンや少人数でのシングルセッションを前後に組み立てるなどもよいかもしれません。
でも、やっぱり大事なのは「その地域で求められているか」よりも 自分自身が「その人」「その内容」「そのトピック」で聞きたいか、かなと思います。
先日、次のセミナーがありました。
内容的には、ある程度、WordPressを使っている方向けのセミナーだったのですが、「PHP初心者」ならぬ、「WordPress初心者」が3割弱ほど混じってしまいました。 そこは、たにぐちさんなので評価も悪くなく、 また、帰り際、「WordPressそのものがはじめての方は、本日の内容の大半がピンと来ないかもしれませんが、少し触っていく過程で役立つ情報ばかりですので...」的な毒消しをしました。
ここで言いたいのは、特に、シングルセッションでのセミナー場合、次のようなターゲット設定を明確に打ち出しておく必要があるということです。
可能であれば、具体的なアウトラインを見せてしまうのもよいと思います。 幕の内スタイルと違って、「来てしまったけど、レベルや方向性的に、求めていたものと違った」場合、絶望的で、運営サイド、参加者、そして講師と三者が不幸です。
場合によっては、クレームにつながります。返金して済む話であればカンタンですが、このご時世、いろいろ言ってくる方がいたり、評判にもつながるので、ターゲッティングとそのすり合わせを慎重に行うべきだという自戒の念として共有しておきます。
CSS Niteの地方版で重要なのは、その土地の方のセッション(講演枠)、および、そのセッションの質です。
東京(とかほかの地方)から来た人に負けてない、というか、東京の人よりよかったよね、となるのが大事だと思います。
といっても、一朝一夕には実現しないので、ほかのイベントで登壇してよかったものをブラッシュアップするとか、そうでない場合には、事前に地方版でリハーサルを行うなどして、質を高めていただきたく。遅くても、1週間前にはスライドができて、一度、リハを終えているように。
できれば、CSS Nite以外の勉強会でよかったセッションを、再演というカタチでブラッシュアップするのが望ましいと思います。単純に、100人のうち、30人が見ているのは仕方がないと割り切りつつ、MCで「毒消し」しながらがよいかと。
実力はあるけど(慣れの問題を含めて)トークは今ひとつだったり、講演の準備が難しい方、っていると思うんです。 そういう方もいい感じに引っ張り出していく手段として、聞き役を立てて「掛け合い」という方向もあるでしょう。
経験が少ない場合、準備の厚さがモロに出るので、バックアップをよろしくお願いします (CSS Niteだけでなく、小さな勉強会でも同じ)。
地方版枠は、回を重ねるごとに割合が増していった方がよいと考えます。
イベント終了後、「次は〜があります」というパスを設けるようにしましょう。そして、その場で申し込みできるように。
理想としては、CSS Niteで参加された方が、その地方の勉強会に参加するという流れができるとよいと思います。そういう意味では「〜についてもっと深く勉強したい方は〜」といった動線が望ましいように思います。
都内版の場合、シリーズや開催地ごとにイベント名を付けて通し番号を振っていますが、地方版の場合、開催自体が少ないこともあり、次のように考えています。
主な理由。
最終更新日:2014年11月26日